· 

『イエス・キリストを、いつも思っていなさい』

前略、パウロ愛兄(73)2017.4.20

 

『イエス・キリストを、いつも思っていなさい』

 

ローマ人への手紙3:13

「『彼らののどは、開いた墓であり、彼らはその舌で欺く。』」

 

前略、パウロ愛兄

 

この聖句は詩篇5篇9節にある「彼らののどは、開いた墓で、彼らはその舌でへつらいを言うのです。」の引用ですね。「墓」は死を意味しますから、罪が死の裁きをうけることを、兄は強調し、「舌」は、同じ詩篇34篇にも「あなたの舌に悪口を言わせず、くちびるに欺きを語らせるな」(13)とあるように、「悪」や「欺き」、「嘘」や「誘惑」などを連想させます。

 

ヤコブ兄も、「舌」については、憂慮し、注意を促しています。「舌は火であり、不義の世界です。舌は私たちの器官の一つですが、からだ全体を汚し、人生の車輪を焼き、そしてゲヘナの火によって焼かれます。」(3:6)、「舌を制御することは、だれにもできません。それは少しもじっとしていない悪であり、死の毒に満ちています。」(8)、「私たちは、舌をもって、主であり父である方をほめたたえ、同じ舌をもって、神にかたどって造られた人をのろいます。」(9) しかし、舌という器官が悪いわけではありません。舌をコントロールしている私たち自身、肉的な思いが舌に悪口雑言をさせるのです。

 

イエス様は常に、表面的な言動に注目せず、その言動をコントロールしている悪い思いを断ち切らなくてはいけないと注意します。例えば、良く知られていますところでは、「『姦淫してはならない。』と言われたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。だれでも情欲をいだいて女を見る者は、すでに心の中で姦淫を犯したのです。」(マタイ5:27-28)と言われるところです。実際の言動ではなく、その奥にある思いを断ち切らなくてはいけないのです。

 

しかし、この悪い思いの断ち切りは、自力で出来るものではありません。内なる聖霊様に助けていただかなくてはいけませんが、どのようにすればよいのでしょうか。兄は若いテモテに次のようにアドバイスをしています。「私の福音に言うとおり、ダビデの子孫として生まれ、死者の中からよみがえったイエス・キリストを、いつも思っていなさい。」(2テモテ2:8) いつもイエス・キリストを思って、悪い思いを抱かないように、心をイエス・キリストで一杯にしてしまうことかも知れません。また、詩篇45篇では、「私の心はすばらしいことばでわき立っている。私は王に私の作ったものを語ろう。私の舌は巧みな書記の筆。」(1)というふうに、心を御言でいっぱいにし、それを口にとどめておくことです。聖霊の力を借り、賛美や御言で心を常にいっぱいにしておくことが求められていて、パウロ兄はそのことを、「イエス・キリストを、いつも思っていなさい。」と言われるのですね。

 

兄のおっしゃるように、舌に出てくる悪い思いを避けるには、祈りと賛美をしつつ「イエス・キリストを、いつも思っていなさい。」しかないように思います。私たちの思いも主に頼ることができるよう、導いていただきましょう。

 

パウロ兄、今夜の学びもありがとうございました。感謝いたします。

 

草々